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「農業」健康効果明らかに 各地でリハビリや観光に取り入れ – 全国農業新聞 - 全国農業新聞

2020年1月17日

 農業が身体的・精神的な健康にもたらす効果が明らかになってきた。医療との連携も始まっており、患者のリハビリに農作業を取り入れる病院も出ている。農業体験で健康効果を提供する「農村健康観光」は、地域に人を呼ぶ新たな切り口として期待が高まる。先進的な各地の動きを探る。

農作業を用いたリハビリが患者の意欲を引き出す

 農業者は長寿で元気――。2017年に早稲田大学の堀口健治名誉教授らが、農業者は平均寿命が非農業者よりも男性で8.2歳、女性で1.6歳長く、75歳以上の後期高齢者の医療費も農業者の方が約3割少ないとする研究結果を示した。考えながら体を使う農業が健康維持に有効だという。
 こうした農業の効果を入院患者のリハビリに生かす動きも出始めた。東京都西東京市の田無病院は東京大学大学院農学生命科学研究科との共同研究で、2014年から患者に農作業を用いたリハビリを実施。身体機能の向上や認知症の症状の改善などの効果を検証している。
 認知症や骨折、脳梗塞などさまざまな疾患で、症状が安定した回復期の患者を対象とする。週に一度、同大学の圃場に赴き、1年間に約20人の患者が農作業に参加する。
 農作業は日常生活に必要な動作が多く含まれる上、作物の収穫という目的を持って体を使える点が有効だという。同病院の作業療法士の河原崎崇雄さんは「普段のリハビリに消極的でも、農作業なら進んで動く患者さんも多い」と話す。植物の成長を認識することや作業中の他者との意思疎通は、記憶障害をはじめ認知症の症状の改善にもつながるという。
 精神科病院などでの園芸療法は古くからある手法だが、医療機関である病院がリハビリを目的に農作業を取り入れる例はまだ少ない。河原崎さんは「有効なリハビリとして、今後広めていきたい。入院患者に限らず、高齢者が健康や社会性を維持する活動として農業は有効ではないか」と話す。

 農業による健康への効果を地域の産業に生かすのが農村健康観光だ。早稲田大学・医学を基礎とするまちづくり研究所と奈良県立医科大学は2016~2018年の共同研究で、同観光の効果を実証した。4回の試験的ツアーを通して参加者の健康状態の改善や農村への経済的な効果を検証。農作業体験や農村の散策は健康や精神状態を改善させることを示した。
 同観光に消費者が「支払っても良い」と考える金額(支払意思額)も調査した。試験的ツアーの参加者への調査では、ツアー中に医療従事者による個人的な健康指導があると同金額が増加。一般消費者へのアンケート調査では、同観光への同金額は他の内容をテーマにした観光に比べて高いことも分かった。研究に携わった同研究所・研究助手の林書嫻さんは「同観光への消費者の関心は高い。内容を充実させれば収益性の向上が期待できる」と話す。
 同研究に参加した、奈良県高取町で薬用作物を生産する(有)ポニーの里ファームは、2015年から健康を意識した体験を受け入れている。臨床心理士を招き、精神的なリフレッシュを目的に企画した観光ツアーには約20人が参加した。
 現在は農作業体験や伝統料理の調理体験、町内の観光名所巡りなどを組み合わせたツアーを常時受け入れており、一般の観光客に加え企業の福利厚生向けにも提案している。体験では地域の関係者に講師として参加してもらうこともある。

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