スマートな農業 - Miyanichi e-press - 宮崎日日新聞

　日本語でスマートは体形などが「痩せている」という意味になるが、本来は「賢い」。最近はスマートの付く家電やインターチェンジの普及で本来の意味も広がりつつあるが、スマート農業もその一つだろう。

　農林水産省の定義によれば「ロボット技術やＩＣＴ（情報通信技術）等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」。農業は今や科学技術の最先端を走る産業だ。今日贈呈式がある第６２回宮崎日日新聞農業技術賞でも一端がうかがえる。

　受賞する個人・団体の多くが地域のスマート農業を先導する存在。肉用牛の繁殖を手掛ける興梠哲法さん（高千穂町）は牛舎に監視カメラを設置。出産間近の体温になると知らせる機器も重宝する。ＪＡ都城施設きゅうり専門部会庄内支部は環境制御などの先端技術を導入。

　西都市・穂北地区の若手ピーマン生産者でつくる自主学修グループ「ハッピーマン」は栽培技術の向上のためＩＣＴを活用。ハウスの環境変化や収量の推移をスマホで確認できるシステムを全員が取り入れ、ほ場を巡回する際はデータを参考にする。栽培方法を助言し合うことで、収量を伸ばした。

　門川町高糖度トマト生産組合はクラウド型データベースシステムで情報共有の効率化を図る。ただ何より受賞者に共通するのは、自然相手に自らの経験と勘を働かせる農業の基本を大事にする点。新技術一辺倒ではなく、上手に使いこなす姿勢がスマートだ。

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January 17, 2020 at 04:22AM
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