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大震災9年 若手農家が立ち上がった 住民×新規就農×移住者で復興 岩手県陸前高田市「食と農の森」 - 日本農業新聞

地域のつながりを重視する「食と農の森」メンバー。(左から)松田さん、杉山さん、松本さん(岩手県陸前高田市で)

 地域資源を生かし、交流人口を増やしながら地域を盛り上げたい──。東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市で、若手農家8人が活動グループ「食と農の森」を結成し、地域の活性化に向けた挑戦を始めている。活動のキーワードは「つながり」の再構築だ。市内は震災前の暮らしができる水準まで復興した。だが、移住者や新規就農者など「住民同士のつながり」が希薄になっていることに気付いた。11日で震災から9年。行政に頼らない若手農家の挑戦が始まっている。(音道洋範)
 

つながり再び 交流通じ特産開発へ


 「農家だけでなく、みんなで農業と地域を支えていけるつながりをつくりたい」という、グループ代表でイチゴ農家の松田俊一さん(35)が発起人だ。グループ名の「食と農の森」には、農業だけでなく、流通や外食などのつながりを森のように密接に広げていきたいという意味を込めた。

 同市は震災で壊滅的な被害を受けた。まちの姿は一変した。行政をはじめ個人・団体による支援で復興が進み、他県から移住者や新規就農者、新商品の開発が相次いだ。だが、新規就農者同士のつながりが希薄で悩みを相談できる場がなかった上、せっかく開発した商品も“作ってみた”だけで広がりに欠けることも多かったという。

 そこで、松田さんが中心となり地域の若手農業者に声を掛け、2019年1月にグループを立ち上げた。活動1年目の昨年は大学教授などを講師に招き、三陸地域の気候や土壌などの知識を深めた。それを土台に、今年から活動を本格化させる。地域のイベントでメンバーが生産した農産物を販売するなど、地元の飲食店や流通業者との連携を目指す。将来的には農福連携や食育活動なども視野に入れる。

 メンバーは全て40代以下。多くが震災後に農業を始めた。松本玄太さん(35)は震災ボランティアとして同市を訪れたのをきっかけに、東京都から移住した。同市の特産品「米崎りんご」の魅力に引きつけられた。一方で、リンゴ農家の後継者不足に危機感を持つ。松本さんは「人と人がつながってアイデアを出し合えば、販路拡大や新商品開発も期待できると思う。何とかして地域の特産を残していきたい」と意気込む。

 杉山大樹さん(46)は千葉県の電気メーカーなどで勤務していたが、震災を契機に妻の実家がある同市へ移り住んだ。現在は自然農法でミニトマトを栽培している。「沿岸部では復興が進み、少しずつ家が増えてきた。これからも移住者や仲間が増えてくれれば……」と期待する。

 品目も経営手法もばらばらだが、地域の農業を良くしたいとの思いは共通している。仲間同士のネットワークに加え、スマート農業などを活用しながら「かばねやみ(めんどくさがり)でもできる農業」を目指す。

 陸前高田市をはじめとする三陸の沿岸部は海と山に囲まれ、大規模農業に適する平地は少ない。それでも、メンバーは震災後の陸前高田で根を広げている。松田さんは「陸前高田には大規模な主力品目というものはない。だからこそ、何でも自由にできる土地がここにはある。力を合わせて、地域を盛り上げたい」と将来を見据える。
 

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March 11, 2020 at 05:03AM
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