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ボーイング、Starlinerの失敗ミッション前に「通し」のシミュレーションを省略 - Engadget 日本版

Boeing Orbital Flight Test
2019年12月、ボーイングはCS-100 Starliner宇宙船の初の無人飛行を実施したものの、予定していたいくつかの項目を実施できないまま地上へと帰還しました。ボーイングは当初、目的とするデータの85~90%は収集できたと概ね満足したかのようなコメントを寄せていましたが、特に国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングができなかったことは、宇宙飛行士を安全に宇宙に送り届ける能力に関する深刻な問題を提起しています。

そして新たな報道では、ボーイングが失敗したStarlinerミッションの前に、打ち上げからISSドッキングまでの行程を通したシミュレーションを実施していなかったことが判明しました。失敗したミッションのあとNASAとボーイングが共同で設立した調査チームは、Starlinerのソフトウェアに2つの重要なエラーがあったのを発見しています。ひとつはISSとドッキングするための正確な軌道に到達するための時計が大きく狂っていたこと。Starlinerは打ち上げカウントダウンの段階でアトラスVロケットと時刻合わせを行い、以後の動作を制御するようプログラムされていたはずでした。しかしこの打ち上げでは、その処理が予定と異なるタイミングで発生したため、Starlinerは11時間も狂った時計に従って動作していました。そして、地上管制が原因を把握する頃には、宇宙船をISSとドッキングさせるために必要なスラスター燃料を使い果たしてしまっていました。

さらに、今週報告された情報によれば、ボーイングはミッションの前に通しのシミュレーション試験を実施していなかったことが、NASAを驚かせたと伝えられています。

Starlinerプログラムマネージャーのジョン・マルホランド氏は、ロケットエンジン点火からISSドッキングまで25時間を超えるシミュレーションテストを実施するよりも、ミッションをフェーズごとに分割し、その細切れごとで繰り返しテストを行うほうが「より論理的だ」と考えていることをWashington Postに述べています。また、通しのテストをしていなくとも、全体量としてはテストは十分に行われており、決してショートカットをしたのではないと主張しました。

また、ボーイングはまた、Starlinerの円錐形のクルーモジュールの下部に接続されている円筒形のサービスモジュールを対象とするソフトウェアの試験をきちんと実施していませんでした。ミッションでは、大気圏再突入のまえにサービスモジュールを分離したあと、それがクルーモジュールに衝突する可能性がある問題が発見され、なんとか修正が間に合ったことで事なきを得たものの、もしこれが実際の有人飛行で発生していたら大事になっていたはずです。

マルホランド氏はこうした問題のあとも、フェーズごとの分割試験方法を継続するとしましたが、通しのテストも合わせて実施すると述べました。Washington Postによれば、NASAはひきつづきボーイングに有人飛行にむけた準備を進めさせるか、一度立ち止まって無人でのミッション遂行を完全に完了するよう求めるかを検討中とのことです。

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March 03, 2020 at 08:59AM
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