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武漢市の封鎖解除のシミュレーション - 日経メディカル

 中国武漢市は、COVID-19のアウトブレイクに対して、長期にわたる学校と職場の閉鎖など、前例のない対策を実施した。英国London大学衛生熱帯医学大学院のKiesha Prem氏らは、数理モデルを用いて身体的距離拡大戦略の感染拡大への影響を推定し、学校や職場閉鎖の解除を4月以降に段階的に行うと、感染抑制における利益は大きくなるというシミュレーション結果を報告した。内容はLancet Public Health誌電子版に2020年3月25日に掲載された。

 ヒト-ヒト感染のリスクは、接触者の年齢と接触する場所(学校、職場、自宅、地域社会など)によって変化する可能性がある。武漢市では、1月後半に旅行の制限を開始し、1月末には湖北省でも同様の制限を開始した。さらに、市内では春節の休暇が延長され、学校と職場の閉鎖が続いた。武漢市当局は、身体的距離拡大策を推進し、市民に混んだ場所には行かないよう指示した。これらの対策によって、人々の社会的交流パターンは劇的に変化した。

 著者らは、住民の交流の変化が武漢でのアウトブレイクにどのような影響を及ぼしたのかを推定し、武漢市でのアウトブレイクにかかわる疫学的パラメータの最新の推定値を利用し、一般的な感染症流行モデルであるSEIR(Susceptible- Exposed-Infected-Recovered)モデルに年齢構造に関する要因を追加したものを用いて、身体的距離拡大策を行わなかった場合と行った場合の、アウトブレイクの軌道をシミュレーションした。武漢市を人口1100万人の閉じたシステムと仮定して1年間の流行の推移を検討し、年齢は5歳階級刻みで、75歳以上は1まとめにして16段階に分類した。

 また、職場の再開を段階的に許可した場合の感染再拡大状況のシミュレーションも行い、3月始めから1カ月以上かけて職場を段階的に再開し、学校は4月の始めに再開する方法と、4月の始めから1カ月以上かけて職場を段階的に再開し、学校は5月の始めに再開する方法が、2020年のCOVID-19発症者数に及ぼす影響を比較した。

 著者らが、今回のシミュレーションに用いたパラメータは、これまでに報告された論文を元に設定した。基本再生産数R0は2.2(四分位範囲1.6~3.0)、潜伏期間の平均は6.4日、他者に感染させる期間は3~7日、行動制限が始まった時点の患者数は200または2000人など。ほかに、感染した患者が発症する確率や、無症候者からの感染が起こる確率などについても、報告されている数値を用いた。また、子供が他者に感染させる可能性が成人と同じ場合と、成人より低い場合を想定し、年齢層別の住民の累積発症率と新たな発症者数に及ぶ影響を予測した。

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April 05, 2020 at 10:30PM
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