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市民も巻き込み都市農地の保全 東京・国分寺市農業委員会 – 全国農業新聞 - 全国農業新聞

2020年12月11日

 国分寺市の農地はすべて市街化区域内にあり、市内の農地141ヘクタールのうち122ヘクタールが生産緑地に指定されている(指定率87%)。同市農業委員会(田中豊会長)は、農業者向けと市民向けの両面から都市農業の振興対策に取り組んでいる。

さまざまな意見が出される地区別懇談会

 国分寺市農業委員会はこれまで、都市農業の保全に向け、行政機関への意見提出を継続的に行うことで要望を実現してきた。
 過去に農地法による転用の届け出を行った農地や生産緑地の買い取り申し出を行った農地であっても、引き続き良好に耕作されている農地を生産緑地に再指定できるよう毎年要望を続け、2005年に実現に至った。その結果、2016年には約0.58ヘクタールの農地が生産緑地に再指定された。2021年には約0.35ヘクタールが再指定される予定で、農地の保全につなげることができた。

 農地利用状況調査については市の課税課などと連携して効果的に行っている。同調査は毎年、地区別懇談会で農業者に報告。あわせて農業委員会の活動の状況や最新の農業関連情報を提供している。懇談会で出されたさまざまな意見は同委員会で集約し、政策要望などに結びつけている。

農業支援のボランティアを養成する「市民農業大学」

 同委員会では、これらの活動に加え、市民と農業者との交流を通じて相互理解を深めてもらい、都市農業の良き理解者となってもらおうと長年さまざまな活動を行ってきた。
 1992年には同委員会からの意見が取り入れられ、市内農業を支援するボランティアを養成することを目的に「市民農業大学」が開設された。
 農業委員などが市民を対象に毎週、栽培技術などを教えており、修了生は28年間で計991人にのぼる。現在は約80人が市の援農ボランティアとして農業者を支えている。

 また、農業者と市民が一緒に歩き農地を巡る「農ウォーク」を2004年から実施している。これまでに703人の市民が参加し、多くの市民に市内の農業をPRしてきた。この取り組みは現在、都内全域の農業委員会に広がっている。
 これら農業者からの要望の実現と市民への農業のPR活動が実を結び、住民が一体となって都市農地を保全していこうという意識が醸成されてきている。

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December 11, 2020 at 01:45PM
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