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不ぞろいは多彩な輝き 規格外の真珠を使ったジュエリーを販売 尾崎ななみさん34 - 読売新聞オンライン

 真珠は、真っ白でまん丸? そんな思い込みを覆そうと、伊勢市出身の尾崎ななみさん(34)は、これまで規格外とされていた「バロックパール」と呼ばれる真珠を使った宝飾品をオンライン販売する。「真珠のありのままの美しさを知ってもらいたい」。そんな思いを込めて。(反保真優)

 ブルー、グレー、ゴールド――、無着色なのに様々な色。「金魚真珠」と名付けた真珠は、アコヤガイの核が動いて真珠層が横に延びて、尾ひれのように見える。自身の名前にちなんだブランド「SEVEN THREE.(セブンスリー)」で販売するのは全てが一点もの。「形や色が全て違う、オリジナリティーが魅力です」

 他にない見せ方にこだわり、流通せず、宝飾品の製作過程で穴あけの練習台に使われていた真珠に目を付けた。

 70年以上、養殖に携わってきた祖父(85)の影響もあって、幼い頃から養殖いかだの上を走り回ったり、貝殻で遊んだりしていた。高校卒業を機にモデルを目指して上京。店先に並ぶ真珠にはあまり産地名が書かれず、三重が産地だとは知られていないことに驚いた。

 25歳の時に「ミス伊勢志摩」のグランプリに選ばれた。PR活動で東京と地元を往復する日々が始まったのをきっかけに、祖父の養殖業を少しずつ手伝うように。作業は重労働でアコヤガイの大量死など自然のリスクに左右される仕事であることも痛感した。

 養殖業者は50年前に比べて10分の1まで減り、後継者不足は深刻。養殖だけで生計を立てる人は少ない。「買い手がつかないものを商品化することで地元に貢献し、真珠の魅力を発信したい」と一念発起し、2018年に起業した。

 スタートアップ(新興企業)が店舗を持つのは負担が大きく、オンライン販売を中心にした。産地を明らかにすることにこだわり、祖父や親戚が養殖した真珠に限定して販売する。「本当に売れるの?」と心配する人もいたが、値段は3万円台からとあえて高めに設定した。

 「業界では『バロックパール』と呼ばれてひとくくりにされているけれど、実は3年から4年、職人たちが一つ一つ手塩にかけてつくったもの。その重みも込めて価格を決めています」

 オンラインでは実際には手には取ってもらえず、角度により虹のように色を変えて輝く、アコヤ真珠の特徴を伝えるのは難しい。「届いたジュエリーは想像以上だった」との反響も多いだけに、期待を裏切らず信頼してもらえるように意識している。

 冠婚葬祭用のイメージが強く、最近では若者の真珠離れも叫ばれている。カジュアルな服にも合わせられるよう、ネックレスでは細いチェーンを使うなど、真珠そのものを生かしたシンプルなデザインに仕上げる。「ファーストパールですと話すお客さんも多くいて、とてもうれしい」

 現在は、首都圏で伊勢志摩をPRする「伊勢志摩アンバサダー」を務めながら、ウクライナ支援のため、歌手のMISIAさんとのコラボ商品も発売するなど、活躍の場を広げている。

 「三重は世界で初めて真珠養殖に成功し、技術は地元の職人の努力で継承されてきた。この先も三重の真珠を伝えていけるよう、新しい せ方を模索していきたい」

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