インターネットの動画投稿サイトで芸能人らを脅迫したなどとして、警視庁が暴力行為法違反(常習的脅迫)などの疑いで逮捕状を取った元参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)が国際手配されたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。13日付。

元議員はアラブ首長国連邦(UAE)に滞在中とみられ、警察当局が国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配を要請していた。元議員がUAEの日本総領事館に旅券の紛失届を提出し、旅券は12日付で失効している。

日本とUAEとの間では犯罪人引渡条約が結ばれておらず、今回の手配は引き渡しを前提として身柄の拘束を求めるものではなく、現地の捜査当局に所在などに関する情報を求める内容という。移送が実現するかどうかは不透明だ。

警視庁は14日、元議員と共謀してジュエリーデザイナーの男性(47)の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)などの疑いで会社経営の池田俊輔容疑者(40)を逮捕した。

捜査関係者によると、元議員の逮捕状の容疑は昨年2~8月、動画投稿サイト「ユーチューブ」で芸能人ら3人を脅したほか、うち1人の事業活動を妨害し、撤退するよう強要した疑い。

警視庁は昨年12月以降、元議員に任意の事情聴取を繰り返し要請したほか、動画投稿で得た収益を管理する会社の代表宅や兵庫県伊丹市にある実家を家宅捜索した。元議員が使用する交流サイト(SNS)のアカウントを凍結するよう運営会社に求めた。

元議員は昨年7月の参院選比例代表で旧NHK党から初当選。一度も登院せず、今年3月の参院本会議で除名されて議員資格を失った。(共同)