運命の相棒は、ジュエリーのようにまとえるキーチェーン。【SAGAN Vienna】の虜です #深夜のこっそり話 #1850 ... - SPUR.JP

引越しのタイミングでキーホルダーを新調しようということで、探し始めたのが５年くらい前。鍵が新しくなったので、せっかくなら連れ合いも新しくしようと思ったのと、それまで長年使い続けていたレザーのキーケースがずいぶんくたびれてきたこともあり、買い替えるなら「今」だと思いました。でも、いざ探してみると欲しいものが全然見つからないわけです。いろいろリサーチするも、なんだかどれもしっくりこない。キーホルダー選びって意外と難しい。そのうちだんだん熱も冷めてきて、「別に無理に探さなくてもいっか」と冷静になり、心の中の「後回しボックス」に、ひっそりしまっておくことにしました。

ウィーンの職人の手仕事が詰まった、珠玉のアートピース

数年前に購入した、SAGAN Viennaのキーチェーン。当時は¥27,500でした。

パンデミック真っ只中の2021年、出合いは突然に。インスタグラムのタイムラインに流れてきて、一瞬で心を奪われたのが、SAGAN Vienna（サガン ヴィエンナ）のキーチェーンでした。編集部内にもファンの多い、ウィーンを拠点とするバッグブランドですが、こんなアクセサリーもあるのか！とボルテージが急上昇。しかも、オーストリアのモダニズムの礎を築いた老舗金属工房、Carl Auböck（カール・オーボック）とのコラボレーションです。食指が動かないわけがない。

３つのバリエーションの中で、私が迷わず選んだのは球体モチーフでした。ひとめ見て「これは私の惑星だ」と思いました。ちょうど、心のバイブルでもある片山令子先生の『惑星』（港の人、2019年）に出合ったばかりだったこともあって、非常に運命的なものを感じたんです。コロナ禍の鬱屈とした日々の中で、久しぶりに気持ちが昂った瞬間でした。アクセサリーひとつで、人ってこんなにうれしい気持ちになれるんだ。デザインの力ってすごいんだなと、しみじみ感じ入りました。

真鍮で描かれた、やわらかな輝きを放つU字型の軌道と、SAGAN Viennaのシグネチャーでもある牛の角を加工した、プリミティブな惑星。真鍮部分はCarl Auböckの工房が、球体部分はウィーンの伝統的な角細工メーカー、Petz Hornmanufaktur（ペッツ ホーンマニュファクチャー）が手がけたもの。オーストリアのものづくりが凝縮された、魅惑の小宇宙です。手のひらにのせてギュッと握りしめると、手仕事のぬくもりがじんわりと伝わってくるよう。ついでに手のツボ押しにも、効果てきめん。重厚な佇まいはまさにアートピースで、キーチェーンであることをうっかり忘れてしまいそうになるくらい、目にするたびに惚れ惚れします。

ジュエリーとしても楽しめる、コンテンポラリーなデザイン

真鍮ならではの色の変化も魅力。ネックレスとして身につけても素敵なんです。

普段はキーチェーンとして使っているのですが、それだけじゃもったいないので、手持ちのネックレスに引っ掛けて、ペンダントとしても使っています。アンティークのような趣がありながらもコンテンポラリーで、フィービー・ファイロ時代のセリーヌのジュエリーを彷彿させる大胆さもある。厚手のニットと相性が良く、ウェアラブル・アートとしても楽しんでいます。

ご縁があって、デザイナーの大前太郎さんと懇意になることができました。ちょうど先日、日本に帰国された時にキーチェーンの話をしたら、大前さんも愛用されているとのこと。「真鍮も角も、使っているうちに色が変わっていきますね。毎日使っているので、僕のは傷だらけです。磨けばきれいになるけれど、あえてそのままにしているんです」とおっしゃっていました。大前さんの飾らない人柄も手伝って、無性にホッとしたのを覚えています。アクセサリーも人も、「ありのまま」が一番素敵なのかもしれないな。そう思うと、よりいっそう愛着が湧いてきました。色の変化も傷も、自分だけのものとして大事に育てていくつもりです。

SENSE OF HUMOURで期間限定ポップアップストアが開催中

ブランドのアイコンバッグ「Pazar Book Tote」も愛用中。読みかけの本を持ち歩くための、夢のポケット付き。

ここまで読んでくださって、欲しい！と思われた方、表参道にあるSENSE OF HUMOURで、来年１月末までの期間限定ポップアップストアがオープンしています。キーチェーン以外にも、大人気の「Pazar Book Tote」シリーズをはじめ、バッグやスモールレザーグッズが豊富にそろっています。日本国内で、SAGANのアイテムをここまでたくさん見られる機会って、ほとんどないんじゃないでしょうか。都心近郊にお住まいの方は、ぜひ足を運んでみてください。

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