「農業十傑」として知られ、福島県内の農業分野の賞で最も権威のある第六十一回福島県農業賞の受賞者・団体が三日、決まった。農業経営改善部門に夫妻六組と二法人、復興・創生特別賞に二法人が選ばれた。最高賞の農林水産大臣賞には会津美里町でキュウリや水稲の栽培に取り組む大越洋一さん（６３）・晴子さん（６０）夫妻が輝いた。 受賞者・団体は【下表】の通り。東京電力福島第一原発事故の風評が続く中、創意工夫を重ねながら生産拡大や後継者育成、販路開拓などに精力的に取り組み、地域農業者の模範となっている。 農林水産大臣賞の大越さん夫妻は長年、キュウリ栽培技術の確立に努めてきた。半促成栽培と抑制栽培、雨よけ長期栽培を組み合わせ、毎年五月から十一月まで切れ目なく出荷を続けている。ＪＡ会津よつばみどり地区キュウリ部会では常にトップクラスの出荷量、販売額を誇る。地元の高齢農業者らから依頼を受け、水田の借り受けや作業受託を積極的に行うなど地域農業の中心的な担い手として活躍している。
東日本大震災と原発事故からの農業復興と再生をけん引する生産者を顕彰している復興・創生特別賞は、休耕地を活用し牧草などを生産している川俣町の農事組合法人ヒュッテファーム、コンピューター管理の養液栽培でトマトを出荷しているいわき市のあかい菜園株式会社が受けた。 県農業賞は一九六〇（昭和三十五）年に創設された。県、福島民報社、県農業会議、ＪＡ福島中央会、ラジオ福島の主催。松崎浩司県農林水産部長を審査長に、安斎康史福島民報社編集局長、河嶋耕県農業会議事務局長、橋本正典ＪＡ福島中央会常務理事、小野則昭ラジオ福島編成局長が審査に当たった。 九日午前十時半から福島市の杉妻会館で表彰式を行い、受賞者・団体に賞状、記念品を授与する。福島民報社はクリスタルガラスの盾を贈呈する。 ■大臣賞受賞者の横顔 ◆大越洋一さん・晴子さん（会津美里町雀林字村東３０２６） キュウリを中心とした農業経営。複数の栽培方法を組み合わせて長期間の出荷を実現し、収入の安定につなげている。自動かん水装置や自走式防除機を導入して省力化を図り、長男夫婦とともに経費をかけずに最大限の所得を上げるため、工夫を重ねている。
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September 04, 2020 at 06:59AM
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