
手の甲を彩る小さな虹。腹部に落ちたガラスの灰皿の影。ベルリンを拠点にするアーティスト、小川直子さんは体の表面に偶然投影された光の効果を「ジュエリー」と呼ぶ。モノとしての実体を持たないそのきらめきは、気づいた者だけが知る特別な美しさを秘める。「何がその人に自信を持たせ、内側から輝かせるのか。日々の暮らしの中で見つけて作品の形にしています」と小川さん。既存ジュエリーのデザインや素材を脱ぎ捨てた背景には「女性としての生きづらさ」があった。
ある時、床の上に落ちた虹色の光を見つけ、それを手首にかざすとブレスレットのようだった――。小川さんが2011年から継続する「ジュエリー・ハンティング」はそんな日常の気づきに端を発する。
東京・渋谷の「ギャラリードゥポワソン」で開催中の個展「リフレクション」で発表している「ジュエリー・ハンティング・ブック」は、このプロジェクトを本という形式に落とし込んだものだ。
プロジェクトでは光を体にまとい、美しいと感じた場面を写真に撮り、場所や時間、天候などを記録。その情報をSNS(ネット交流サービス)などで他者と共有し、再現性のある「ジュエリー」として京都やドイツで発表してきた。
これまで実際に体験した人からさまざまな感想が寄せられたが、「いつもの景色が違って見えるようになったと言われたことが一番うれしかった」と語る。
今回の「ブック」では写真家のエイリュル・アスランさんと翻訳家で文筆家の細谷みゆきさんを迎え、どんなジュエリーを見つけ、それによってどんな気持ちの変化が起きたのかを写真と言葉でつづってもらった。
「本を読むことで読者も追体験できる。このプロジェクトで手に触れられるものはないけど、…
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