美しき時代と異彩のジュエリー
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19世紀末から20世紀初頭、科学技術の進歩と経済発展を背景に文化が花開き、パリが最も輝いていた時代、ベル・エポック(美しき時代)。美術や文学、音楽や演劇など、さまざまな分野の芸術が大きな発展を遂げるとともに、照明でまばゆいばかりの大通りには、おしゃれを楽しむたくさんの人が行き交い、カフェやキャバレーでは明け方まで喧騒が繰り広げられた。
第一次世界大戦勃発によって幕を閉じるまでの約30年間、人びとが豊かさと束の間の平和を享受したこの時代に、ルネ・ラリックはジュエリー作家として輝かしい実績を残した。ベル・エポックの象徴でもある、フランスを代表する大女優サラ・ベルナールにジュエリーを認められ、1900年、40歳で迎えたパリ万博では見事グランプリを獲得。それまでジュエリーの素材としては稀であった半貴石や獣角などを取り入れ、伝統にとらわれない宝飾品を創造することに熱意を燃やした。
誰も見たことのないものを作ろうと常に新しいものに目を向けていたラリックにとって、諸文化が入り混じり、奇抜で斬新な芸術を柔軟に受け入れる“ベル・エポック”は、彼の創作意欲を刺激しアイデアを生み出す宝庫だったのだ。そんな美しき時代(ベル・エポック)に異彩を放った、ラリックの独創的なジュエリーの数々を本展では紹介する。
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